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健康や長寿には多くの人たちが関心を持っています。
しかし、木と私達の関係を見ていくと、身近に木の環境があることが健康で長生きの秘訣、そんな気もしてきます。
私達と木の関係には分からないこともたくさんありますが、 家具や内装など興味あるところから
生活に取り入れてみると意外な効果を得られるかもしれません。

 

◆人も木に囲まれて生活すれば長生きできる。

マウスを使った実験では、 木製の飼育箱で生活するマウスの生存率が高い結果がでています。
体重の変化を見ても同様です。人間で実験するわけにはいきませんが、ある調査で興味深い報告がありました。
西日本の女性を対象とした調査で、木造住宅の比率の高い地域ほど乳癌による死亡率が低い傾向が見られるというのです。木造住宅に住む人の方が長生きできるのかもしれません。
マウス実験

◆リラックスできる空間はやっぱり木がいい?

木に含まれる成分には私達を落ち着かせる効果があるようです。
森林浴はみなさんもご存知でしょうが、実際にその主な成分といわれてるフィトンチッドを使った実験でも血圧が下がり、脈拍も落ち着く実験結果がでています。
ストレスの多い現代人には、リラックスできる木のある空間が良さそうですね。

 


◆ぜん息やアレルギー性皮膚炎などに効果のある、清潔な空間に一役買います。

近年、問題になっているアレルギー性皮膚炎などの原因の一つにダニがあげられています。
ある実験報告では、集合住宅の床をカーペットからナラ材など木製に替えるとダニの数が減少したというのがありました。

木材の使用により調湿された結果乾燥したことや、隠れ場所になるような隙間がなくなったことで
ダニが生きて行くには厳しい条件になったからだと言われています。
また、木の香りにはダニを寄せつけない効果もあります。
ダニ数の変化



住宅の構造や部材以外にも、居住空間の中で木はいろいろなところで使われています。また、最近ではたくさんの人が集まるコミニケーションの場を演出する木の施設が注目されています。
日本人の歴史を見ると木をうまく利用し、長くつきあってきたことが分かります。その長い経験が現代にも生かされ「やはり日本人は木の物」という声も多く聞かれます。「落ちつきのある」「すごしやすい」快適性の高い生活・住環境づくりに木が役立てられています。これは日本人に限らず、老若男女を問わず、人類共通かもしれません。そうした快適性には科学的にはどのような背景があるのでしょうか。
ちょっと知っていれば、より快適な日常空間が得られます。

◆あたたかみを感じる素材です。

風呂場では、ひんやりしたコンクリートやタイルに触れないようによく木製のスノコを使います。コンクリートなどは木材に比べ熱の伝導性が高く、室温が低くなると急激に体温を奪うからです。温度や熱の変化が
伝わりにくい木材は、直接足や手が触れる場所に使えば快適性も向上します。

◆光には有害なものとそうでないものがあります。

紫外線は私達の身体に悪い影響を与えることがあり、海や雪山ではこの有害な紫外線から目を守るためにサングラスをかけて目を保護します。
木材は、波長の短い光・紫外線を良く吸収する一方、「温かみ」を感じさせる波長の長い光・赤外線を反射し、まぶしさを抑えます。このため木の施設には“心地よさ”があり、人が集まり、憩うのです。

◆心地よく聞こえる音にコントロールしてくれます。

木材は音を適度に吸収して、心地よく感じる音の範囲に調整してくれます。木材を使った部屋は「音がいつまでも響かず適度に反射する」ので音が聞き易いといわれます。



現代の私達の生活の中でも、木材は身近なところでたくさん使われています。
日本の建築文化の中の長い歴史と経験の中で受け継がれた木の特性を生かす技術が、安全な住環境をつくり出しているのです。今でも木の特性をもっと引き出し、日常生活に役立てるため、木材の新しい利用方法の研究が進められています。

◆いざという時の衝撃をやわらげる木材

転んだ時、直接頭や顔を打った経験がある方も多いのではないのでしょうか。その時、頭が地面や床に叩きつけられるスピードはなんと秒速4~6m、その最大衝撃は200kghf以上、なんと大きな相撲取りの体重と同じくらいの衝撃力になります。床が木でできていて助かってるかもしれませんね。こんなところでも、他の素材より衝撃吸収力のある木材の特性が生かされています。

◆問題は災害が起きたときに、いかに被害を最小限にくい止めるか。

木材は断面が厚くなれば熱が中まで伝わらず燃えてしまうまで時間がかかります。
鉄は、薄くて強い代わりに火や熱によって短時間で温度が上がり変形してしまいます。木造住宅が「火に強い」といわれるのは、大きい断面をもった木材になると、表面に着火しても、表面に炭化層ができ、それが断熱層ができ、それが断熱層の役割を果たし、燃焼の進行は遅く、燃えても短時間で崩れることがなく、いざという時、非難時間や消化活動の時間が十分に得られるからです。

◆日本の気候を考えると、夏涼しく冬温かい住宅が理想です。

木材の持つ断熱性と調湿性をうまく使うことが快適空間の実現につながります。
コンクリート造は冬温かいのですが夏は外気温と同じ室温になってしまいます。木造住宅は外気温と比較した時、夏涼しく冬温かいということになります。また私達が感じる「暑さ」や「寒さ」は温度だけではありません。温度も体感温度に影響しています。その湿度を適度に調節する木材の調湿性も、毎日を快適に過ごすためにはかかせません。

     
協同組合ドライウッド土佐会高知県高知市小倉町高知県木材協会内